蒼詩集

愛や不安や葛藤などを言葉にして綴るポエムです。あなたの心に何か響くものがあれば幸いです。コメントも頂けるとありがたいです。

相対性理論



僕と君は生きている時間が異なる。


かの科学者は相対性理論を提唱し


互いの生きている空間から見た事象の捉え方を理論化した。



僕から見たら君の生き方ははるかに早くて


まるで追いつけないように生きている。


でも当の君からしたら全くそんなことなくて


むしろ僕の方が先に進んでいるんだって言ってた。



いや、僕自身の中の時間も異なるんじゃないかって思った。



僕にとっての1秒と


陸上選手にとっての1秒は


同じ1秒のはずなのに異なる。



時計の針を見ると1秒がどれだけ早く過ぎ去っていくのかわかるけど


それは誰かが作り出した時計の


その人たちが統一して生み出した1秒という時間的意味づけなだけだ。



亀に乗って海に潜った少年は


そこでの時間が楽しすぎて時間が過ぎるのを忘れていた。


最後に渡された箱の中にはきっと


そこで、すごした時間を思い出として詰め込んだものだったんだ。



箱を開けると楽しかった思い出がこみ上げる。


一つ一つ鮮明に浮かび上がる記憶は


その時感じた時間よりはるかに早く感じ


一つ一つを懐かしく思い出しているうちに


僕の時間はあっという間に流れていった。



いつの間にか若かった僕の肌には


こんなにもシワが増えていた。



過去を振り返ったら


時間はこんなにも早く過ぎているんだって気づく。


今を思い、今を生きていれば


いつまでも若く生きていられるのに。



蒼連

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