蒼詩集

愛や不安や葛藤などを言葉にして綴るポエムです。あなたの心に何か響くものがあれば幸いです。コメントも頂けるとありがたいです。

REGO〜未来人類〜



現在2155年


科学の進歩は著しく


不可能と言われていた空飛ぶ車は


今となっては当たり前の存在として


風景の一部と化している



私は今年で…何歳になったかな


もう年齢というな概念も薄れかけてきているんだ



かつて再生医療が話題になっていたのがもう懐かしいけど


今では再生医療なんて言わなくて


「ボディショッピング」なんて巷では呼んでたりするらしい


欲しい臓器を注文したら


特殊な液体に浸けられたものが届く。


自己免疫のデータをすでに政府のデータバンクに登録してあるから


届く臓器は拒否反応をしめすことはないという。



僕はトータルで考えたら親からもらった臓器は一つも残っていない


目も歯も心臓も


脳だって事前に記憶のデータをバックアップしてあるから


傷んできたら交換する




昔自分が遊んでいたオモチャのブロックみたいに。



欲しいパーツがお店にあるんだ。


顔はこんなかな。


皮膚の色もこれがいいな。


もはや人種や肌の色での差別は


この世界ではありえない。



すでに臓器の価値は倫理的な問題ではなくなって


表示されている金額はピンキリだけど数万円といったとこだろうか




僕らはどこに向かうのだろう


かつて死亡率100%といわれていた人類


その宿命から逃れようと


科学者は必死でここまできたんだ。



天才的な科学者の発明に乗っかって


私も150年以上も健康で生きてこれた。


けど、気づいたんだ。


どれだけ長く生きても


何も楽しくないんだって。


ただ生きながらえても楽しくないんだって。






「不死」は「生」のありがたさを忘れさせる



死亡率100%


限りあるから、僕らは必死に生きようとする


医療や科学は進歩する


世の中はどんどん便利なものが増える




でも、これだけは覚えといてほしい



世の中がどんなに変わっても


すべての人に与えられた「時間」は「平等」なんだということを。



明日からを楽しく生きよう


後悔しないために




蒼蓮

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